塾では保護者会や個人面談が行われている時期ですが、そのような場でよく出てくる質問(というか相談)に、「うちの子はあんなに努力をしているのに何故成績が上がらないのですか?」というものがあります。実際のところ、10人の生徒が居れば状況も10通りですので、絶対的な回答があるわけではないです。ですが、紐解いていくと次の3パターンに分類されるのではないかと思います。
1つずつ見ていきましょう。
①努力をしているとしても、まだその努力の量では足りない
例えば途中からの入塾など、本気で勉強して間もない場合に見られるケースです。厳しい言い方ではありますが、想定が甘い状態です。中学受験をしない小学生と、中学受験を念頭に動いている小学生ではその当たり前の基準が大きく異なります。ましてや、筑駒御三家等の最難関受験ともなればさらにその基準は異なります。本当にこれ以上の物理的な努力の量の確保が厳しいのであれば、目標変更も視野に入れて対応をする必要があります。勉強に対しての負荷のかけ方に絶対的な正解はありませんが、現状のお子様に寄り添って少しずつハードルを上げていく考え方と、目標基準でそこにお子様の行動を合わせていく考え方では、異なる見方や覚悟が必要になります。エクタスでは小4では見受けることもありますが、小5以上の学年ではあまり見ないケースです。
②努力をしていても、その努力の質に問題がある
最難関受験の小5や小6で悩んでいるケースではこちらのパターンに当てはまることが多いと感じます。自分のやりたいことだけやっている、先生からの指示を切り取って解釈してやりたいようにやっている、…などが見られます。段階的に改善をしていくべき課題に関して今やるべきことを飛ばして対処療法的な動きに奔走している場合もここに当てはまるかと思います。前回のブログで書いた、「授業が聞けていない」状態もこの状況に陥りやすいケースです。要するに自己都合で諸々ねじ曲げて解釈をしてしまっていますので、当然結果は出にくいです。過去にその努力でそこそこの成績を出している場合、それが誤った成功体験となりさらに思考が硬直してしまいます。困難に直面している子供本人には、徐々に先生からの声も届くようになりますが、保護者の皆様には我が子のがんばりを否定されたと感じるのかなかなか聞く耳を持ってもらえない場合もあります。この状況に対して正しく向き合って乗り越えられるのか、甘い言葉に流されてしまうのか、今後に大きな差異を生む部分です。
③努力が数値結果として現れるまでのタイムラグの状態
たとえ正しい努力を行えていたとしても、数値結果として目に見えるようになるまでにはそれなりに時間がかかります。しかしながら、この状態であるならば、その動きを信じて継続していくことで必ず状況は好転します。我々指導者の立場ではそういった兆候は感じやすいのですが、保護者の皆様にとってはとてもわかりにくく、結果として不安故に現状の正しい行動を信じ切れず、迷いから学習のスタンスをわざわざ変えてしまい、せっかくの良いきっかけを手放してしまう危険性も含んでいます。
もちろん、正しい努力をしたからといって一定のペースで、しかも無限に学力が伸びていく…、ということはないのですが、必要最低限のことはこの正しい努力で確実に身につきます。単元学習においても基礎は重要ですが、このような学習方法論においても基礎は同様に重要です。一見もっとも大変に見える方法を選択することが結果として一番の近道であることも多いです。
すなわち、受験勉強は相手に勝つことが目的ではなく、自分自身に勝つことが重要だと思い知らされる部分ともいえます。正しい努力を継続して合格をつかめるようにがんばっていきましょう!