『基本』の大切さ

2016/11/10

エクタス国語科より

 

リョウヤクはクチにニガし


(良薬は口に苦し)


 


ヤマのあなたのソラトオく


(山のあなたの空遠く)


 


アサいカワもフカくワタれ


(浅い川も深く渡れ)


 


シるモノはイわず、イうモノはシらず


(知る者は言わず、言う者は知らず)


 


ヒャクブンはイッケンにしかず


(百聞は一見にしかず)


 


筑駒志望の受験生なら、ここ数年の過去問に目を通してふれていることでしょう。毎年、というわけではありませんが、これらのことわざ・格言・詩の一部をかなで表記しておいて、「カタカナは漢字に直してていねいに大きく一行で書きなさい」という設問が頻繁に出題されています。


決して難しい問題というわけではありません。むしろ、ここで得点できなければ合格は遠のく…とも言えそうな問題です。でも、入試問題として出題されている以上、何の意図もなく出題されているとは思えません。


 


以前、開成中学で「は・ひ・ ・へ・ 」の にあてはまるひらがなを答えさせる出題がありました。また「あまぞん川」の「あまぞん」をカタカナに直させる出題もありました。ただし、『正しい筆順、正しい形、正しいバランスで』という指示がついていました。ひらがな・かたかなですから、当然小学1年生の履修範囲です。この出題を初めて見たときに、基本中の基本である「ていねいに・正しく字を書く」ことの大切さを要求されているのだろう、と思ったものです。(その年に開成中学に入学した生徒から、「出題された先生が、合格者の中でもこの問題で得点できていない生徒がかなりいた、とおっしゃっていた」と聞きました。)


 


難関校を目指したい=簡単な問題では力がつかない→難問を数多く解かないと…


 


こんな考えに行きつく受験生・保護者の方が大勢いらっしゃいます。もちろん、その考え方を頭から否定する気はありません。ただ、基本をないがしろにしているように見受けられる生徒がいるのを見過ごせないのです。


2月1日まで残り2か月ちょっと、というこの時期は過去問を解くことが大切なのは言うまでもありません。出題傾向を知る・自分との相性を見る・苦手単元を絞り出す・時間感覚を養う…等々、効用はかなりあります。エクタスでも、過去問指導はとても重要視しており、生徒各自に解いたものを提出してもらっています。その解き方(書き方)を見ていると、毎年のことですが、生徒個々に大きな差が見られます。とてもていねいに(本番のつもりで)一字一字きちんと書いてある答案もあれば、なぐり書きとも言えるような、書いた本人でも判読が難しい字で書いてくる人もいます。


また、記述問題でもせっかくいいところに目をつけることができても、誤字・脱字や文末ミスで点を失う人が少なくありません。


もちろん、その都度注意していますが、その時に返ってくるのはたいてい同じセリフです。


 


「本番の時は気をつけます。」


 


入試本番でていねいに、気をつけて書くのは言うまでもありませんが、私はそのセリフは信用しません。練習でできないことが、なぜ本番でできるのか?野球で、練習もしていない変化球を本番で突然投げられるでしょうか?アイススケートで、練習もしたことのない4回転ジャンプをいきなり本番で飛ぶような選手がいるのでしょうか?


 ちょっと考えればわかることです。いきなり上手になる人はいませんが、日ごろから意識して練習するうちにどんなことも上達してくるものです。自分の解いた過去問や、授業で書いたノートなどをじっくり読み直してみて下さい。そして、「この書き方ではいけない」と、今気づいた人はまだ間に合います。


 


『木の長きを求むる者は必ず根本を固くす』


 


 どういう意味の言葉なのか、よく考えてみて下さい。この言葉を理解できた人は、もう大丈夫。ラストスパート、全力を出し切って下さい。


関連記事related posts

エクタス国語科より

読書と会話

  受験生にとって天王山とも言うべき夏が終わりました。今年は雨の日が多く、夏らしい日がほとんどないまま9月を迎えましたね。みなさんの夏休みの成果はいかがでしたか。 順調にこなせた人もそうでない人も、ここで気持ち…

エクタス国語科より雙葉中

2015御三家の哲学④

【2015雙葉中】 青木玉『なんでもない話』より さくら餅に使われる塩漬けの桜の葉が栽培されている、伊豆・松崎の光景。幹もなく、根株からいきなり伸びた細い枝が無心に揺れている…産業化され、従順に飼いならされ、…

エクタス国語科より

「筑駒の国語 詩の攻略法」

  筑駒国語の入試問題の時間配分を考えると,大問一15分+α,大問二15分+α,大問三(詩)10分-α,となり,最大10分,実際は10分も使えない場合が多いでしょう。 その10分以内で問題に立ち向かえるアプロー…

新着記事latest posts

お知らせ

2026/11/5

エクタス算数科

【算数にひらめきは必要か?】

「うちの子はひらめきが足りないので算数の成績がいまいちだ」「基本問題はできるようになったが応用問題になるとひらめき不足を感じる」…どちらも比較的良く見聞きする事案です。果たして本当に算数に『ひらめき』は必要なのか?? に…

エクタス算数科

2026/11/4

お知らせピックアップ

【1/11開催】新小2・3特別体験会

エクタスでは、新小2・3(現小1・2)のお子さまを対象に、無料で授業体験できる『特別体験会』を実施します。最難関中学合格のために、「低学年の今しかできないこと」「低学年だからやるべきこと」を追求するエクタスの指導を体験い…

お知らせピックアップ

pagetop