八朔

2020/8/6

エクタス社会

今年は梅雨が長かったですね。最高気温が30度を超えない日が続き、このまま過ごしやすい夏になるかと思っていたら、梅雨明けしたとたんに一気に気温が上がりました。今年から、環境省と気象庁が共同で「熱中症警戒アラート」を出す試みが行われていますので、天気予報とともにしっかり確認したいものです。

今年、関東甲信と東海に梅雨明けが発表されたのは8月1日で、平年よりも遅い梅雨明けだったそうなのですが、みなさんはこの「8月1日」を表す、「八朔」という言葉があることを知っていますか?「朔」は「月の第一日」という意味であると同時に「新月」という意味を持ち、「八朔」も本来は、月の満ち欠けを基準とする旧暦での「8月1日」を表します。ちなみに2020年の場合、旧暦の8月1日は新暦(みなさんが普段使っている暦)だと9月17日ごろになるそうなので、1か月~1か月半のずれがあることがわかりますね。

さて、皆さんの中には「あれ、『はっさく』って果物の名前じゃなかったの?」と思い始めた人もいるでしょう。実は皆さんが知っている、あのミカンの仲間の「はっさく」の名前はこの「八朔(=旧暦8月1日)」に由来します。旧暦の8月1日、つまり現在でいうと9月中旬ごろから食べることができる、というのがその名の由来だそうですが、実際にはこの時期の「はっさく」はまだ小さくて酸っぱく、食用には適さないそうです。実際の収穫時期は12月から2月と、ミカンや伊予柑の旬とほぼ同じです。そこから数ヶ月貯蔵して酸味を抑えてから出荷するので、皆さんは甘くて美味しい「はっさく」を食べることができる、というわけです。ちなみに生産量は和歌山県、広島県、愛媛県の順で多く、中でも和歌山県産が多くを占めていますが、もともと「はっさく」が発見されたのは広島県の因島にあるお寺です。因島では名産の「はっさく」を使った大福やゼリーが作られていて、お土産としても有名です。

また、旧暦8月1日ごろは、収穫時期の早い稲が実りの時期を迎えることから、「八朔」は「田の実の節句」とも呼ばれます。この「田の実」が「頼み」に通じることから、豊作祈願を行ったり、普段お世話になっている人(=「頼み」にしている人)に贈り物をしたり、挨拶に伺う風習が生まれ、各地の独特の行事となっているものもあります。例えば京都には、芸妓さん・舞妓さんが正装してお師匠さんの家やお茶屋さんに挨拶回りをする、その名も「八朔」という行事があります。今年は残念ながら中止となったところも多かったようですが、来年以降はニュースで見られるようになるといいですね。

今年はいろいろな意味で例年と異なる夏になりましたね。いつも以上に、体にも心にも負担がかかっていると思います。きついと思ったら無理をせず休むことも大切です。心身をいたわりながら、暑い夏を乗り越えていきましょう。

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