雙葉中の入試問題より

2015/11/13

エクタス理科より雙葉中

 

 毎年、寒くなってくると受験が近づいてきたことを実感します。外を歩いているとコートを着ている人の姿を見かけることが多くなってきました。受験生のみなさんはより一層気が引き締まり、受験に向けて最後の追い込みをかけ始めている時期だと思います。


 


 今年の雙葉中の入試問題では、昨年相次いだミツバチの盗難に関する時事問題が出題されました。はつみつを採るためにミツバチを飼っている(養蜂業)人たち以外に、ミツバチを使って農業をしている人は何をつくる人か、具体的に一つ答えなさいという問題です。


 


 みなさん、わかりますか?


 ミツバチは花粉や花の蜜を集めるために花を訪れます。このときに、花粉を運んで受粉の手伝いをするため、農家の人にとっては有益な昆虫であるといえます。答えはイチゴのハウス栽培農家です。イチゴを育てているハウスの中にミツバチを放ち、受粉の手助けをさせています。ミツバチを盗難されると受粉の手助けをするものが(人力以外に)いなくなってしまうので、この出来事は農家の人にとって大打撃を受けることとなります。


 


 さて、そんなミツバチが今別の種類のハチによって危険な状態にあることを知っていますか?


 


 外来種であるツマアカスズメバチというハチが、対馬を中心に自然種、養殖種を問わずミツバチを食い荒らしています。


 


 このツマアカスズメバチはミツバチを好んで食べます。好んでという言葉をのぞけば、日本の在来種のスズメバチも食料が不足するとミツバチの巣を襲撃し、ミツバチを食べますので、在来種と比べて大きな違いはないのでは?と思うかもしれません。


 


 在来種のスズメバチは集団でミツバチの巣を襲います。巣の中に侵入し、幼虫や弱ったハタラキバチをエサとします。その際、ミツバチは集団でスズメバチに群がり「蜂球」と呼ばれるものをつくり、体温を高めて(おしくらまんじゅうの要領です)スズメバチを押し殺して撃退します。襲われたからといって必ず餌食になってしまうわけではありません。


 


 しかし、ツマアカスズメバチがミツバチを狩りする方法は厄介です。ツマアカスズメバチはミツバチの巣に潜入はせずに、蜜集めから巣に戻ってきたミツバチを一匹ずつ襲います。ミツバチは一匹でいるところを襲われてしまいますので、前に書いた「蜂球」をつくって身を守ることができません。そのため、巣に戻ろうとするミツバチがどんどん餌食になってしまいますので、いつの間にかハタラキバチがいなくなり、巣がほろんでしまうことになります。また、対馬や九州には大型のスズメバチがいないため、ツマアカスズメバチが食物連鎖の頂点に位置することになります。


 


 このツマアカスズメバチの巣の駆除も厄介です。ツマアカスズメバチは地中に巣をつくりますが、巣の規模が大きくなると高い木の上に巣をつくります。高い木の上なので駆除をすることが困難です。また、高い木の上と同じような環境、つまり高層マンションの高層階にも巣をつくります。本来ハチが飛ばない高さの家にいても被害がでてしまうことがあります。本来ハチは台風などの被害を回避するためにあまり高いところには巣をつくりません。あえて高いところに巣をつくることで、他のハチと棲み分けをしていると考えられます。


 


 ハチは巣を駆除するとその巣にいたハチたちはやがて死にます。残ったハチたちが再び巣をつくるということはないということです。巣の駆除=ハチの駆除となるわけです。しかし、ハチの中には巣を駆除しても残ったハチたちが再び巣をつくり、その中から女王バチが誕生し・・・というハチもいます。ツマアカスズメバチは再び巣をつくることはありませんので、この点ではハチの巣を駆除する方法を考え出していくことで拡大をおさえることが可能かもしれません。


 


 受験生のみなさん、ハチについてどれくらい知っていますか?


 


 ハチの食べもの、口の形、8の字ダンス、巣のハニカム構造、針の様子、子育ての様子、神経のつくり、好む色、好むにおい、これらを確かめる実験、などなど、これらのことはすべて中学受験のテーマとして取りあげられています。


 


 前回も書きましたが、中学受験の理科では、テーマを知っているか知らないかで得点に大きな差ができることがあります。ここから一つでも多くのことを身につけ、どこの誰よりも強い受験生になりましょう。


 


 頑張れ!受験生!


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